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給与を外注費としたら何が違うのか

本日ご紹介するのは、
『給与を外注費としたら何が違うのか』です。

まずは回答から書きますが、給与を外注費とした場合には、会社には一般的に以下のメリットがあります。
1.源泉徴収しなくてよくなる
2.社会保険を納めなくてもよくなる
3.労働保険を納めなくてもよくなる
4.年末調整をしなくてもよくなる
5.消費税の納税額が低くなる

そして、外注費の支払を受ける人には以下のデメリットがあります。
1.確定申告をする
2.国民健康保険や国民年金の加入手続きをする
3.要件に該当すれば、消費税を納税しなくてはいけなくなる

以上に挙げた例は、主に税金に関する事だけですが、大きなものだけでもこれだけの項目があがります。

そして、確定申告を行う場合には、事前に届出書を提出した方が得な場合もあります。
代表的なものは青色申告の承認申請です。これは、売上や仕入等の取引を総勘定元帳に記録する事を条件に、利益から65万円(又は10万円)を控除できる制度です。

その他、減価償却資産の把握や法人にした方が良いのか等様々な判断が必要とされます。

簡単に言いますと、元従業員の負担がそれだけ増えるという事です。

例えば、給与が年間700万円の人であれば、給与所得控除後の510万円に税率が課されて終わりですが、
報酬が年間700万円の人であれば、経費が無いと700万円に税率が課されてしまいます。経費には、事業のために使ったものを計上しますが、それを把握する必要があります。

一方会社にとってみれば、上記1~4の手間が省けるので、メリットはあります。また、給与から外注費になる事で、消費税の納税額も少なくなります。

これは、給与には消費税が含まれていないが、外注費には消費税が含まれているため、外注費の5%分だけ消費税の納税額から控除できるためです。
消費税の納税は、企業の資金繰りに大きな影響を及ぼします。
特に中小企業の場合には、納税が、年に1回か2回になる場合が多いため、1年分の消費税を一月か二月で支払わなくてはいけないためです。

会社を基準にして考えるのか、それとも従業員を基準にして考えるのか。いずれを主語として考えるかで結果は変わってきます。
また、今後消費税が上がっていくと仮定した場合には、従業員を外注先に切り替える会社が増えてくるかもしれません。

その場合には、材料費の負担やクレームの処理等様々な問題が発生してきます。
これには正解がありません。状況に合わせて決めていく事が必要となります。

簡単に挙げただけでも上記の問題があります。

また、それ以外にも、税務調査で「外注費」として計上していたものを「給与」として認定される可能性があります。
給与として認定されると、メリットとして挙げた5点がすべて漏れているという事になってしまいます。
こうならないためにも、契約書を作成する等、事前の準備が必要となります。

外注費として計上する場合には、事前の準備を整えてから計上してくださいね。